FXの仕組みとは?利益が発生する仕組みと基礎知識をわかりやすく解説

- FXはどんな仕組みで利益を得るのか?
- FXのレバレッジやロスカットはどんな仕組みなの?
- FXにおけるリスクを知りたい
この記事は、こうした疑問を解消するためのもの。
具体的には、FXの概要と利益が出る仕組みについて解説します。
また、レバレッジやロスカットの仕組みも合わせてご覧ください。
FXの概要と基本的な仕組み

今後FXを始めるのであれば、最低限の基礎知識を理解する必要があります。
この章では、FXの概要と基本的な仕組みについて解説します。
そもそもFXとは?
FXとは、「Foreign Exchange」の略で、直訳すると、「外国為替」を表します。
しかし、証拠金を用いて外国為替をおこなうことから、「外国為替証拠金取引」と呼ばれるケースが一般的です。
外国為替とは、円やドルなど2カ国の通貨を取引すること。
海外へ旅行にいく際には、日本円を旅行先国の通貨に交換するでしょう。
この通貨を交換する行為も、外国為替なのです。
続いて、証拠金取引とは、口座に預けたお金(証拠金)を担保としておこなう取引のこと。
仮に10万円を口座に入れた場合、この10万円を担保として、取引をおこなういます。
つまり、外国為替証拠金取引(FX)とは、口座に預けた証拠金を担保として、2カ国の通貨を取引することです。
FX取引の基本的な仕組み
FXでは、2カ国の通貨を取引しますが、その際に使用する通貨の交換レートを、「為替レート」と呼びます。
実は、為替レートはニュースでも紹介されるほど身近なもの。
「本日の終値は1ドル=〇〇円〇〇銭で、前日を◯%上回りました。」などを耳にしたことがあるでしょう。
これは、米ドルと日本円の為替レートを表しているのです。
為替レートは、通貨の需要と供給によって、常に変動を続けています。
そのため、1米ドル=100円の時もあれば、1米ドル=110円の時もあり、FXは、この為替レートの変動幅を利用して利益を得る取引なのです。
また、FXにおいて、米ドルと日本円の取引は、「米ドル/日本円(USD/JPY)」と表し、この通貨のペアを「通貨ペア」と呼びます。
通貨ペアは、米ドル/日本円以外にも数多く存在しており、それぞれ、相場の特徴や取引に必要な証拠金が異なります。
FXにおける、通貨ペアの特徴や種類は、こちらの記事で詳しく解説しています。併せてご参考ください。
FXで利益が出る2つの仕組み

先述の通り、FXは、為替レートの変動幅を利用して利益を出しますが、実はもう1つ、利益を出す仕組みが存在します。
それは、「スワップポイント」です。
この章では、FXで利益が出る仕組みを、詳しく解説します。
No.1.為替差益【キャピタルゲイン】
為替差益とは、先ほど解説した為替レートの変動幅によって得られる利益のこと。
キャピタルゲインとも呼ばれます。
為替差益を得るためには、「通貨を安く買って、高く売る」ケースが一般的です。
1ドル=100円でドルを買って、1ドル110円でドルを売ると、1ドルあたり10円の利益が得られます。
しかし、FXでは逆説的な「通貨を高く売って、安く買う」場合でも為替差益を得られます。
先の例でいうと、1ドル110円でドルを売り、1ドル=100円でドルを買い戻す場合でも、1ドルあたり10円の利益が得られるのです。
しかし、FXでは、一体なぜ「売り」から取引を開始できるのでしょうか。
理由は、FXが「買ったら売りで決済」「売ったら買いで決済」と、取引開始時と決済時が必ず反対注文になるというルールのもと成立しているため。
わかりやすくいうと、通貨そのものを取引しているのではなく、権利を取引しているということです。
仮に、FXで円を売ってドルを買ったとしても、手元にドルが来ないのはこのためです。
まとめると、FXの為替差益は、「安く買って、高く売る」「高く売って、安く買う」の2パターンで得られます。
No.2.スワップポイント【インカムゲイン】
スワップポイントとは、「金利差調節分」とも呼ばれ、2カ国の金利差によって生じる利益のこと。
各国の中央銀行が国内の物価を調節するために、金利を使います。
金利が及ぶ範囲は、あくまでも自国通貨のみのため、通貨間で金利差が生じます。
たとえば、日本とトルコの金利を比較すると、円−0.1%に対してトルコリラは19.0%です。
日本円を売って、トルコリラを買った場合、金利が−0.1%から19.0%へと変化し、差額の19.1%分がスワップポイントとして受け取れる仕組みです。
また、スワップポイントは、FXでポジションを保有(取引中)している限り毎日もらえるため、積み重なると大きな利益になるでしょう。
ただし、反対にトルコリラを売って円を買った場合、金利差分を支払う必要があるのです。
この、2カ国の金利差によって生じる損失のことを「マイナススワップ」と言います。
スワップポイントは、あくまでも低金利通貨を売って、高金利通貨を買った場合に生じる利益であるため、マイナススワップに注意が必要です。
FXを少額で始められる仕組み【レバレッジ効果】

レバレッジとは、わずかな証拠金で大きな取引が可能となる仕組みのことです。
通常、1ドル=100円の為替レートで1万ドル分(100万円)の取引をおこなう場合、100万円の資金が必要です。
しかし、レバレッジをかけることで、100万円の資金がない場合でも1万ドル分(100万円)の取引が可能になります。
金融庁の取り決めにより、日本のFX会社ではレバレッジの上限が25倍と定められています。
先の例でレバレッジを25倍かけると、「100万円÷25倍=4万円」、つまり、4万円で1万ドル分(100万円)の取引が可能となるのです。
レバレッジは、少額で大きな取引ができるため、資金効率を格段に向上させられる仕組みといえます。
ただし、レバレッジをかけた状態で、損失方向へ価格が推移した場合、証拠金以上の損失が発生する恐れもあります。
言い換えると、レバレッジをかけることで、借金を背負うリスクがあるということ。
そのため、レバレッジを使う際には、リスクを踏まえた資金管理が重要です。
FXで損失拡大を防ぐ仕組み【ロスカット】

ロスカットとは、各FX会社が定める基準まで含み損が膨らんだ際に、強制的にポジションを閉じて(決済して)損失を確定させる仕組みのこと。
FXでは、夜中など投資家がチャートを見ていない間に、大きな含み損が発生するケースが少なくありません。
これでは損失が巨額となり、最悪の場合、投資家が借金を背負う恐れもあります。
そこで活躍する仕組みが、ロスカットです。
ロスカットは、含み益が一定に達することで、強制的に取引を終了するため、損失の拡大を抑制してくれます。
ロスカットが執行される条件は、各FX会社によって異なりますが、一般的には、証拠金維持率が50%以下、もしくは100%以下に達した場合です。
ロスカットの証拠金維持率や必要証拠金について、こちらの記事で詳しく解説しています。
FXの必要証拠金とは?レバレッジやロスカットとの関係も徹底解説
FXにおける3つのリスクと対処法

FX取引を始める前にリスクを確認しておくことが重要です。
FXにおけるリスクは、主に次の3つ。
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- スリッページリスク
この章では、FXにおける3つのリスクとその対処法を、詳しく解説します。
No.1.為替変動リスク
FXは、為替レートの変動幅を狙う取引ですが、一方で、為替レートの変動幅により損失が発生するリスクがあります。
FXの相場は、世界中の投資家・政治情勢など様々な要因により決まります。
そのため、プロの投資家でさえ完璧に相場を読むことは不可能です。
それほど予測が難しい相場で為替変動のリスク(FXでの損失)を回避するためには、冷静に取引をおこない、決して深追いをしないことが大切です。
「もう少し待てば上がってくるだろう」など、根拠のない予想に従っていては、損失が膨らみ利益を出すことは困難でしょう。
万が一、予想通りの値動きをしなかった場合には、すぐに取引を終了して次回に活かすことが重要です。
No.2.金利変動リスク
2つ目のリスクは、金利変動リスクです。
金利は、自国の物価を調節するために使用されるため、常に変動するものです。
金利の変動により、スワップポイントの低下だけでなく、相場の下落につながるケースもあるため、注意が必要です。
特に、トルコや南アフリカなど、マイナーな通貨では取引量が少なく、金利変動リスクが大きいといえます。
スワップポイントは確かに魅力的ですが、FX初心者の方は米ドルやユーロなどメジャーな通貨ペアでの取引がおすすめです。
No.3.スリッページリスク
相場の急変しなどにより、決済が希望価格とズレてしまうケースがあり、これをスリッページといいます。
スリッページの発生により、本来得られたであろう利益が得られなかったり、損失が増えたりなどのリスクが考えられます。
特に、取引量の少ない通貨ペアでは、価格変動の激しさからスリッページの発生リスクが高い傾向にあります。
そのため、FX取引では、取引量の多い有名通貨ペアで取引することをおすすめします。
また、FX会社によって約定力が異なるため、なるべく約定力の高いFX会社を使用するようにしましょう。
まずはFXの仕組みを完璧に理解しよう

この記事では、FXの概要と利益が出る仕組みについて解説しました。
FXで利益が出る仕組みは、為替差益とスワップポイントの2パターンです。
この記事の内容は、FXを始める上で非常に重要な知識です。
FXの仕組みを十分に理解してから取引に臨むとよいでしょう。