FXのサポートライン・レジスタンスラインの引き方とは?取引での活用方法も解説

サポートライン・レジスタンスラインは、FXのチャート分析における基本的かつ最も重要な分野の1つです。
これらを十分に理解し活用できれば、正確な相場の分析が可能となり、FXでの利益に繋がります。
そこで、この記事では、サポートライン・レジスタンスラインの引き方と取引での活用方法を解説します。
FXのサポートライン・レジスタンスラインとは?

そもそも、FXのサポートライン・レジスタンスラインとは、一体どのようなものなのでしょうか。
この章では、サポートライン・レジスタンスラインの概要とトレンドラインとの関係を解説します。
サポートラインとは下値支持線のこと
FXのサポートラインは、日本語で下値支持線と呼びます。
「下値」を「支える」線ですから、これ以上は価格が下がらないだろうと考えられるラインのこと。

相場では上記のように、価格の下降が止まり、転換するケースが見られます。
この反発点を結んだものが、サポートライン。
反発している数が多いほど、その価格を保とうとする買い圧力が働くため、強いサポートラインになります。

また、トレンド形成時や持ち合いが生じている局面では、上記のような斜めのサポートラインも引けます。
したがって、ラインの角度に関係なく、価格の下降が転換した箇所を結んだものを、サポートラインと呼ばれます。
レジスタンスラインとは上値抵抗線のこと
FXのレジスタンスラインは、日本語で上値抵抗線と呼びます。
上値に抵抗する線ですから、これ以上は価格が上がらないと考えられるラインのこと。

先ほどのサポートラインとは、正反対で価格の上昇を食い止めようと、売りの圧力が加わっています。
レジスタンスラインも、ライン内に反発点が多いほど、強力な抵抗線になり、水平のみならず、斜めにもラインが引けます。
FXのトレンドラインとサポートライン・レジスタンスラインの関係
FXでのラインといえば、サポートライン・レジスタンスラインの他にトレンドラインがあります。
トレンドラインとは、トレンド相場を支えるためのライン。
したがって、上昇トレンドであれば、安値の反発点を結び、下降トレンドでは高値の反発点を結びます。
すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、トレンドラインとサポート・レジスタンスラインは、「トレンドライン≒サポート・レジスタンスライン」の関係。
具体的には、次の通り。
- 上昇トレンドに引いたサポートライン=トレンドライン
- 下降トレンドに引いたレジスタンスライン=トレンドライン
名前が異なるため、別々のラインだと勘違いしがちですが、実質的には同じ性質を持つラインです。
サポートライン・レジスタンスラインが機能するワケ

FXの相場には規則性がないといわれますが、なぜサポートライン・レジスタンスラインは機能するのでしょうか。
その答えは、人間の心理です。
サポートライン付近では、それまで売り方向へ値動きしていた価格が転換し、上昇に転じるケースが多くみられます。
もし仮に、この反発が1回限りであれば、サポートラインとして機能することはありません。
しかし、その後2回3回と反発を繰り返した場合はどうでしょう。
相場は、誰かが買えば値段が上がり、誰かが売れば値段が下がることが基本原則です。
この原則に従えば、売り手優勢から買い手優勢に入れ替わったということは、「買い注文が増える何らかの要素が存在した」と捉えるのが一般的でしょう。
この「買い注文が増える何らかの要素が存在した」という心理こそが、サポートライン・レジスタンスラインを生み出します。
何度も反発が繰り返されているサポートラインに近づけば、「また反発するかもしれない」との心理から、売り手の勢いは弱まり、「反発するなら買いで注文しよう」との心理から買い手が優勢になります。
このように、トレーダーの心理によってサポートライン・レジスタンスラインが生み出され、抵抗線として機能するのです。
FXで使えるサポートライン・レジスタンスラインの引き方

サポートライン・レジスタンスラインの引き方は、トレーダーによって異なります。
ここでは、FXで使える基本的なラインの引き方を2つ紹介します。
初めは難しく感じるかもしれませんが、練習を繰り返すうちに徐々に上達します。
まずは、基本的な引き方を練習し、いずれは自分なりの引き方を見つけてみてください。
反発点を水平に結ぶ
1つ目の引き方は、反発点を水平に結ぶ方法です。

直近の高値や安値は多くのトレーダーが注目するポイントのため、ここにラインを引くのは有効でしょう。
また、最も簡単な引き方でもあるため、ラインに慣れていない方でもできるはず。
ラインを引く際には反発点の数を意識すると、機能するサポートライン・レジスタンスラインを引くことができます。
高値同士・安値同士を結ぶ
2つ目の引き方は、高値同士・安値同士を結ぶ方法です。

この方法では、チャートパターンでいう、フラッグやペナント・三角持ち合いなどの形になるケースもあります。
抵抗線としての認識以外に、相場のシナリオ予測にも活用できるため、ぜひとも習得して欲しい引き方です。
ただし、チャートパターンを意識しずぎると、かえってラインが引きにくくなるため、まずは「高値同士・安値同士を結ぶ」ことに集中すると良いでしょう。
キレイなラインを引くためのポイント

チャート上にキレイなラインを引くためには、下記のポイントを実践することが大切です。
- ヒゲの存在は無視
- 線ではなく帯で捉える
1つ目のポイントは、ヒゲの存在を無視すること。
サポートライン・レジスタンスラインにヒゲを含めるべきかどうかは、トレーダーの間でも賛否が分かれます。
しかし、サポートライン・レジスタンスラインで大切なことは、反発点を可視化させ、分析に活かすこと。

したがって、反発点を捉えにくくなるのであれば、上記のようにヒゲを無視して実体部分にラインを引くと良いでしょう。
2つ目のポイントは、サポートライン・レジスタンスラインを線ではなく帯として捉えること。

サポートライン・レジスタンスラインを帯として捉えることで、反発点のズレやヒゲの影響を受けにくく、線よりもはるかにラインを引きやすくなります。
線としてラインを引いた場合、正常に機能したサポートライン・レジスタンスラインを超えた後に反発するケースもあります。
ラインは、あくまでも目安のため、ピンポイントで反発するとは限りません。
一方、ラインを広めに確保した場合には、反発点にズレが生じても帯内で収束する可能性が高いため、ラインを引き直す必要がありません。
また、ラインブレイクをエントリーのシグナルとした場合には、ダマシの回避にもつながります。
レジ・サポライン、FXでの活用方法

サポートライン・レジスタンスラインは、FXで下記の使い方ができます。
- シナリオ策定に使う
- 売買シグナルとして使う
せっかくキレイなラインが引けても、FXに活かせなければ意味がありません。
この章で解説する活用方法を十分に理解し、FX取引に活かしていきましょう。
シナリオ策定に使う
1つ目の活用方法は、相場のシナリオを策定するために使うこと。
FXでエントリーする際には、その後の価格が売・買のどちらにどの程度値動きするのかというシナリオを立てます。
その際に役立つのが、サポートライン・レジスタンスラインです。

たとえば、サポートライン・レジスタンスラインを引いた結果、フラッグの形成を把握できたとします。
すると、上昇フラッグならブレイク後に大きな上昇トレンドが、下降フラッグなら大きな下降トレンドが予測できます。
仮に、ラインを引いておらず、フラッグの形成に気付けなければ、こうしたシナリオの策定ができず、利益を逃しかねません。
ラインを引くことで、シナリオの策定がしやすい上に、エントリーの根拠にもつながります。
トレードの精度を高めるのは、ラインを元にシナリオを策定することが大切です。
売買シグナルとして使う
2つ目の活用方法は、売買シグナルとして使うこと。
サポートライン・レジスタンスラインが正しく機能している場合には、価格が近づくと反発する可能性が高いです。
そのため、ライン付近まで価格が近づいたら、逆張りで反対方向へ仕掛けるのも良いでしょう。
ラインで反発する流れに乗り、反対側のラインで利確をすれば、利幅の獲得が望めます。
また、ラインが意識されている間は、反発が見込めるため、利益を積み重ねることも可能です。
まとめ
この記事では、FXのサポートライン・レジスタンスラインの引き方を解説しました。
サポートライン・レジスタンスラインは、相場の反発点やトレンド形成を捉えるために重要なラインです。
初めはラインを引くことが難しく感じるかもしれませんが、練習を繰り返し、上達を目指してみてください。